院長コラム
こいで歯科医院の院長、小出一久(こいで いっきゅう)が、
日常の診療、インターネットでの歯科医療相談、カウンセ
リングなど、日ごろの暮らしなどで感じたことを書き綴ります。
是非、ご感想、ご意見などをお寄せください。
入れ歯治療は赤字(13)

患者さんは想像も付かないことかもしれませんが、歯科の保険診療は赤字にな
ることがあります。特に入れ歯を保険の範囲で作ると赤字になります。

赤字と言うのは、歯科医院を運営するには建物の家賃や働いている人の人件
費など固定経費と入れ歯を作るための技工代、材料代などの経費と収入を比較
した時に、収入が経費に見合わないと言うことになります。

その原因は圧倒的に入れ歯に対する保険診療での評価、価格が低いことです。
私は、入れ歯を人工臓器と捕らえていますが、保険診療では総入れ歯でも4万
円程度です。毎日、毎食使うものがこの価格です。そして保険診療の窓口負担
額と言えば、老人で一割負担ならば4000円です。三割負担の方で12000円で
す。メガネや靴などで、もっと高額のものもあると思います。確かに保険診療とい
う制度ですので、価格は歯科医師、患者さんが決めたものではありません。
歯科医師は誰でも、この評価は低いと思っています。

次に、技工代が割高と言うことです。それは歯科技工士という資格の人が入れ
歯を作ります。もちろんその手間を考えれば当然の費用ですが、それでも、保険
診療の評価に比べると割高になっています。

そして、これが一番問題なのですが、作ったあと痛みやかみ合わせなどの調節
をする際の調整料です。この評価がとても低く、その上一ヵ月に4回までしかで
きません。もし5回以上患者さんの調整をしても、4回までしかお金がもらえませ
ん。
調整は、手間がかかり、時間も場合によっては何十分もかかることがあります。

保険診療では、金額が決まっているので、入れ歯は丁寧に作れば作るほど、調
整も時間をかけるほどに、結果として赤字になってしまいます。
利益が少なくなると言うのならばそれでも良いのですが、赤字が増えていくので
す。

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